決算発表する黒崎播磨の江川和宏社長(13日、北九州市)

日本製鉄グループで耐火物を手掛ける黒崎播磨が13日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比50%増の124億円となった。売上高は7%増の1770億円で、ともに過去最高を2期連続で更新した。人口増に伴って鉄鋼需要が拡大するインドを筆頭に、北アフリカや中東に販路を持つ欧州でセメント向けの生産が好調だった。

鉄鋼生産に欠かせない耐火物の高機能化が進む中で、同社製品への引き合いが強まっている。インドでの売上高は14%増え、同国の粗鋼生産の伸びである12%を上回った。「インドでは不要な不動産を売却し、成長投資に充てる」(江川和宏社長)という。粗鋼生産が減少する国内でも、耐火物の売上高を6%伸ばした。

25年3月期は売上高が前期比1%増の1780億円、純利益は5%減の118億円と予想した。インドで売り上げ増を見込むが、中東情勢の緊迫化による欧州生産への影響を懸念する。24年3月期に13億円あった円安効果のはく落も織り込んだ。

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