出光興産は13日、環境負荷の小さい燃料「合成メタノール」の生産を計画する米HIF Global(ヒフグローバル)に出資すると発表した。出資額は1億1400万ドル(約177億円)。将来の合成メタノールの購入につなげるほか、ノウハウを取り込んで自前での生産に生かす。
ヒフグローバルの増資を出光が引き受け、5月中に出資を完了する。出資比率は非開示。出光はヒフグローバルに取締役を1人派遣する。両社はこれまでも合成メタノールの売買に向けて協議しており、出資でさらに関係を深める。
ヒフグローバルはチリ、ウルグアイ、米国、オーストラリアで合成メタノールの生産設備の建設を計画し、2030年に年間400万トンの生産規模にする予定だ。出光は早ければ28年にヒフグローバルから合成メタノールの輸入を始める。
出光は35年には世界で合成メタノールを年間50万トン供給する体制を整える。ヒフグローバルから購入するほか、自前で生産する。
合成メタノールは水を再生可能エネルギーの電気で分解してつくる「グリーン水素」と、二酸化炭素(CO2)を原料につくられる。製造時に回収したCO2と燃やした際のCO2が相殺されるとの考え方で、環境負荷の小さい燃料とみなされている。
合成メタノールは船舶の燃料になるほか、合成ガソリンや再生航空燃料(SAF)のもとになる。脱炭素を進める企業からの需要が増えるとみている。
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