記者会見する高橋誠社長(10日、東京都内)

KDDIは10日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比8%増の6900億円になりそうだと発表した。デジタルトランスフォーメーション(DX)や金融などの注力領域が伸びる。TOB(株式公開買い付け)が成立したローソン事業も利益を押し上げる。

売上高は0.3%増の5兆7700億円、営業利益は15%増の1兆1100億円を見込む。KDDIは非通信事業の強化を進めている。金融などの注力領域が330億円利益を押し上げ、ローソン事業などからは140億円の利益を見込む。

ポイント経済圏の強化に向けて月額制のauスマートパスプレミアムを「Ponta(ポンタ)パス」と改称することも発表した。ローソン店頭でも入会できるようにする。会員数を現在の1362万人から2000万人に引き上げる。詳細は夏にも発表する。

2023年3月期から25年3月期までとしていた中期経営計画は1年延長する。19年3月期と比べて1.5倍に引き上げるとしていた1株当たり利益(EPS)が目標未達となった。通信料金の値下げなどが影響した。

高橋誠社長は「全社を挙げて(目標を)達成していきたい」と述べた。データと生成AI(人工知能)を活用することで、通信ユーザーに対して決済や金融など様々なサービスの提案につなげていく。

同日発表した24年3月期の連結決算は、売上高が前の期比1%増の5兆7540億円、純利益が6%減の6378億円だった。ミャンマーの通信事業でリース債権に対する貸倒引当金を計上したことなどが影響した。

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