KOKUSAI ELECTRICは10日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比30%増の290億円になる見通しだと発表した。半導体メーカーの設備投資が回復傾向で、同社の半導体製造装置も伸びる。配当を年32円と前期の2.9倍に引き上げる。

売上高にあたる売上収益は20%増の2175億円を見込む。主力の半導体製造装置はスマートフォンやデータセンター向けにデータを長期保存する「NAND型フラッシュメモリー」向けだ。半導体の市況回復とともにメモリー投資が回復基調にある。

24年3月期の売上収益は前の期比26%減の1808億円で、純利益は44%減の223億円だった。メモリー市況が軟調だったため顧客の半導体大手各社が設備投資を大幅に絞った。

24年3月期の地域別売上高では、中国が46%を占め、韓国(21%)や日本(12%)、台湾(10%)が続く。24年3月末の受注残高1497億円のうち中国比率がおよそ6割といい、韓国や日本向けの先端装置の受注は低迷している。

金井史幸社長は同日の記者会見で「25年3月期の後半にかけて中国以外の先端品市場が回復するため中国比率は徐々に低下していく」と話した。

同社は23年10月に上場し、株主還元の重視を強調してきた。24年3月期に11円だった年間配当を、上場2期目となる25年3月期には「配当性向20%強を想定」(同社)して32円まで引き上げる。

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