淀川製鋼所は10日、アクティビスト(物言う株主)として知られるストラテジックキャピタル(東京・渋谷)の株主提案に反対する意向を表明した。PBR(株価純資産倍率)を1倍以上に引き上げる計画案を策定する定款変更などを求める方針だが、淀鋼側は「中期経営計画の改定でPBR向上を目指す」として対決姿勢を強めている。

ストラテジックキャピタルは、2023年9月末時点で淀鋼の株式を5.49%保有している。6月25日に開く淀鋼の株主総会では9つの提案を行う予定だ。剰余金の配当や金庫株の消却なども求める。4月に淀鋼側に議案を書面で提出した。

東京証券取引所が低PBR企業に対し改善を促していたことを受け、淀鋼は4月下旬に26年3月期をメドとする3年間の中期経営計画の一部を修正。「資本コストや株価を意識した経営を実現」すると表明し、自己資本利益率(ROE)の目標を7%(従来目標は5%以上)、配当計画を200円以上(同50円以上)に引き上げていた。

一方、淀鋼は10日の取締役会で、ストラテジックキャピタル側の株主提案の一つでもあった買収防衛策の廃止を決めた。

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