欧州などの景気減速の逆風があったが過去最高益を確保した(大阪府摂津市の研究拠点)

ダイキン工業が9日発表した2024年3月期の連結決算は営業利益が前の期比4%増の3921億円だった。3期連続で前の期を上回り過去最高となった。売上高も10%増の4兆3953億円と最高を更新した。米国でのデータセンター向けの大型空調の販売増などが業績を押し上げた。

24年3月期の期末配当は1株当たり130円(前年同期は140円)と、従来予想から10円引き上げた。年間配当は前の期比で10円多い250円となった。同社は純資産配当率(DOE)を3%で維持することを基本方針としている。

ダイキンの主力である空調事業は連結売上高の9割超を占める。米国を中心として生成AI(人工知能)の需要増で大規模投資が相次ぐデータセンターや、自動車工場向けの「アプライド」と呼ばれる大型空調が業績をけん引した。

成長市場と位置づけるインドでは出力を細かく制御して消費電力を抑えるインバーター技術を搭載した空調機が売り上げを伸ばした。一方で最大市場の米国では住宅ローン金利の上昇の影響を受け、住宅用空調が苦戦した。欧州で展開する省エネ機器「ヒートポンプ暖房」も補助金の先送りの影響を受けて販売が減少した。

25年3月期の営業利益は前期比8%増の4250億円、売上高は同3%増の4兆5400億円を見込む。想定為替レートは1ドル=138円と前期から7円程度の円高・ドル安水準を見込む。

上期の配当は1株当たり185円と前年同期から65円増やす。年間配当は創業100周年記念配当の50円を含めて、前期比70円多い320円を見込んでいる。

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