日産自動車が9日発表した2024年3月期連結決算は、純利益が前期比92.3%増の4266億円となった。欧米や日本で販売台数が増加したほか、年度を通じて為替相場が円安基調で推移したことが貢献した。オンライン形式で記者会見した内田誠社長は「厳しい市場環境の中、着実に業績を改善してきている」と述べた。
売上高は19.7%増の12兆6857億円と過去最高を更新。本業のもうけを示す営業利益は50.8%増の5687億円だった。販売台数は北米が23.3%、欧州が17.2%、日本が6.5%それぞれ増加。ただ、中国では厳しい価格競争を背景に、24.1%減となった。
25年3月期の連結業績は北米を中心に販売増を見込み、売上高は7.2%増の13兆6000億円、営業利益は5.5%増の6000億円と予想。一方、純利益は海外のインフレに伴う損失などを背景に10.9%減の3800億円を見込む。また、内田社長は3月に公正取引委員会から勧告を受けた下請法違反に関し、6月までに再発防止策を公取委に報告すると説明した。
オンライン形式で記者会見する日産自動車の内田誠社長=9日午後
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