東京都新宿区のマンション敷地で住人の平沢俊乃さん(25)が刃物で刺され死亡し、殺人未遂容疑で職業不詳、和久井学容疑者(51)=川崎市=が逮捕された事件で、平沢さんの傷は、首や腹を中心に数十カ所あったことが9日、捜査関係者への取材で分かった。
傷は背中にもあった。押収された果物ナイフ2本に襲撃で使った痕跡があり、警視庁新宿署は執拗に襲ったとみている。9日、和久井容疑者を殺人容疑で送検。遺体を司法解剖して死因を調べている。和久井容疑者が「声をかけると逃げたので追いかけて襲った」と供述していることも分かった。
事件は8日午前3時10分ごろ発生。和久井容疑者は平沢さんが以前経営していたガールズバーの客だった。事件前日の7日夜からマンション付近に止めた車で待ち伏せし、コンビニから出てきた平沢さんに声をかけたと話している。
「金を貸していて、返してもらうつもりだった」「経営を応援するため店で金を使ったり渡したりした。バイクや車を売って工面した」とも供述しており、署は詳しい経緯を調べる。
和久井容疑者は平沢さんに付きまとったとして、2022年5月にストーカー規制法違反容疑で逮捕され、同年6月から1年間、自宅や店に近づかないようストーカー規制法に基づく禁止命令が出されていた。〔共同〕
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