宮城県石巻市発注の下水道工事を巡り、市職員2人が業者に情報を漏らしたとされる官製談合事件で、2人は東日本大震災の復興事業の担当部署にいた2013年、業者と知り合っていたことが、捜査関係者への取材でわかった。業者は多くの復興事業に関わっていたとみられ、県警は復興事業をきっかけに関係を深めた可能性があるとみている。

 県警が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕したのは、市下水道建設課の技術課長補佐、星洋一容疑者(50)と技術主幹、寺内友和容疑者(46)。昨年2月、市内の土木工事会社「遠藤興業」社員の遠藤光弥容疑者(67)=公契約関係競売等妨害容疑で逮捕=に工事の最低制限価格を算出する基準などを記した設計書を渡し、最低制限価格に近い価格で落札させた疑いがある。

 捜査関係者によると、上司と部下の関係性だった星、寺内両容疑者が遠藤容疑者と知り合ったのは13年。星容疑者が復興事業部区画整理第1課に配属された8月以降だったという。

 星容疑者は工事業者らへの指導や工事の進み具合を確認する立場で、当時の現場責任者だった遠藤容疑者とこの業務を通して知り合ったという。寺内容疑者も現場に行く星容疑者に同行することがあったという。

 関係者によると、遠藤興業は市の復興事業に関わっていた業者だったという。ただ、復興事業が終了するにつれて地域の仕事は減っていったという。

 一方、市によると、星、寺内両容疑者は今年1月中旬~2月中旬に相次いで欠勤するようになった。捜査関係者によると、県警は2月ごろにも遠藤興業を家宅捜索していた。(阿部育子)

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