選挙の投票所に必要な立会人の役割をカメラやパソコンを通じて遠隔で担えるようにする「オンライン立ち会い」のリハーサルが9日、鳥取県智頭町で開かれた。6月9日投開票の町長選と町議補選で導入される見通し。総務省によると、投票立会人の業務のオンライン化は全国初という。
鳥取県は、立会人の不足により投票所が減少する事態に歯止めをかけるため、2月にオンライン化の推進を表明し、導入を目指してきた。
リハーサルは、山間部の集会所前に止めたワゴン車と町役場で実施。移動式期日前投票所となる車内には立会人役1人とカメラを内蔵した専用端末が配置され、町役場ではもう1人の立会人役がモニターに映し出された投票の様子を監視した。通信が途絶えた場合に、集会所側で新たに現場の立会人を補充選任し、オンラインの立会人に代わって役割を担う流れも確認した。
県の依頼でリハーサルに参加した「選挙制度実務研究会」の小島勇人理事長は「立会人はそれぞれ職務を全うできている」と評価。平井伸治知事も様子を見守り「全国の1番バッターとしてオンライン立ち会いを成功させ、もっと投票しやすい環境づくりをしていきたい」と報道陣に話した。
投票立会人は、公選法で有権者から2人以上5人以下を選任しなければならないと規定されている。総務省は当初「立会人は現に立ち会うことを想定している」と否定的な見解を示していたが、4月にオンライン実施時の留意点を県に通知し、事実上容認した。〔共同〕
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