この通信記録はことし7月、岐阜県や愛知県の高齢者から合わせて670万円余りをだまし取ったとされる、特殊詐欺グループが使っていた通信アプリ「シグナル」の記録です。

この中では、SNSの「闇バイト」に応募し「受け子」として逮捕・起訴された20代の被告が、「ボス」と呼ばれる指示役と報酬について話す形跡が残されていました。

「いくら抜いていいでしょうか」と尋ねる受け子に対し、指示役が「7万抜いて」などと応じるやりとりが、およそ1週間の間に6回確認されました。

実行役を集める勧誘役から「誰か紹介できないですか?」と求められた時には、「紹介しようと思った2人が強盗に行ったきり逮捕された」などと答えていました。

だまし取った金の受け渡しは商業施設のトイレなどで行われ、指示役が個室の中に待機させた受け子に対し「もうノックきます。下から出してください」と指示していて、ドアごしに受け子から別の人物に金を回収させる際には、互いに顔が見えないよう徹底している様子が伝わります。

グループのやりとりは「おはようございます。きょうも気をつけてお願い致します」などのメッセージを最後に途切れていて、この日、受け子の20代の被告は、同じ高齢者からさらに金をだまし取ろうと再び自宅を訪れたところ、待ち構えていた捜査員に逮捕されました。

警察は「受け子はリスクの高い仕事を請け負ういわば『トカゲの尻尾切り』のような存在だ。闇バイトに応募してしまった場合、勇気を持ってすぐに警察に相談してほしい」と呼びかけています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。