幼稚園から高校まで全て私立に通った場合、授業料や学習塾代といった学習費の総額が1人当たりで過去最高の1976万円だったことが25日、2023年度の文部科学省の調査で分かった。14年度調査から206万円(12%)増えた。全て公立校の場合も過去最高の596万円だった。

文科省は「物価上昇で通学や学習に必要なものの費用が増えたことなどが一因とみられる」としている。

調査は子どもの学習に関する家計支出を調べるため、新型コロナウイルス禍の影響で中止した20年度を除き、1994年度から2年に1度実施している。今回は幼稚園児から高校生までの保護者約2万2000人が回答した。

項目別に見ると、教科書や辞書といった図書の購入費の上昇が目立った。小中の教科書代は無償だが、学校が指定した辞書やワークブックの購入費は自己負担となる。私立小では年間で2万8147円で、14年度に比べ5.8倍に膨れ上がった。高校は公私立いずれも4万円程度に上る。

制服代も上がっていた。最も高かったのは私立中(5万1737円)で、14年度の1.2倍に上昇。私立高は4万2497円で同年度の1.5倍だった。

前回の21年度調査では、コロナ禍の影響で修学旅行費や校外活動費が減ったが、23年度調査では例年の水準に戻った。

学習塾代は公立・私立の中学で17万〜23万円で、21年度より減少傾向にあったが、長期的にみると高水準だった。同省担当者は「人件費や光熱費の上昇による塾の授業料の引き上げが背景の一つとして考えられる」とする。最高は私立小の26万4241円で、公立中の23万343円が続いた。

1年間でかかる学習費の合計は、私立の小中生と公立の中高生が過去最高だった。最高は私立小(183万円)で、私立中(156万円)が続いた。公立中は54万円、公立高は60万円だった。

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