阿部俊子文部科学相は25日、教員の養成や採用、研修の一体的な改革について中央教育審議会に諮問した。質の高い教員の確保を目指し、社会人が転身しやすい教員免許の取得方法などについて検討を求めた。
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教員不足が深刻となる中、免許を持たない社会人に門戸を広げ、多様な経験や知識のある人材を学校に呼び込む狙いがある。教育職員免許法の改正も視野に入れる。
公立小中高校などの採用者数全体のうち、民間企業などでの勤務経験者は2022年度で4%にとどまっており、社会人から教員になるハードルの高さが指摘されてきた。
具体的な検討事項の一つは、社会人が大学院で免許を取得しやすいような制度改正だ。
教員免許は大学の学部で取得できる「1種」、短大の「2種」、大学院の「専修」に区分される。専修免許の取得は、1種免許を保持していることが条件。1種免許を持っていない社会人が、大学院で高い専門性を身につけて専修免許を取得したい場合、学部の単位も並行して取得する必要があった。
中教審は諮問を受け、大学院のみで取得できる新たな免許について検討する見込みだ。
諮問では、教職課程を修了していなくても、合格すれば免許を取得できる「教員資格認定試験」の在り方についても議論を求めた。現在は幼稚園と小学校、高校「情報」の教員の免許が取得できるが、学校種や教科を増やすことの是非が議題となる。
教員養成を巡っては、学習指導要領の改訂や学習用端末の配備といった学習環境の変化を受け、教職課程の見直しを検討するよう要請。教員の学び直しを促すため、研修時間の確保策も議論される見通しだ。
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