小林製薬(大阪市)の「紅麹(こうじ)」成分を含むサプリメントを巡り、日本腎臓学会は7日、サプリ摂取後に腎障害を確認した患者189人の症例の分析結果を公表した。50代が40%と最も多く死亡例の報告はなかった。

3月27日〜4月30日に全国の会員医師らを対象にインターネット調査を実施、報告のあった189人を分析した。女性が65%と多かった。38%が1年以上前に服用を開始していたが、今年から服用を始め短期間で発症したケースもあった。初診はほとんどが昨年12月〜今年3月だった。

初診時の主な症状は腎機能障害や食欲不振、倦怠(けんたい)感などだった。透析治療したのは7人で、うち5人は回復して透析をやめている。約2割がステロイド治療を行った。腎機能低下はサプリの摂取中止だけである程度改善する傾向があるという。

189人中173人がサプリの成分が腎臓に集積し「尿細管」が傷ついて体に必要な成分が再吸収できなくなる「ファンコニー症候群」で、腎生検では尿細管間質性腎炎や尿細管壊死がみられた。

学会は4月1日に47人分を中間報告。学会副理事長の猪阪善隆大阪大教授は今回の分析結果について「傾向に大きな変わりはなかった。今後はサプリ摂取を中止した後の腎機能回復の程度を調査したい」としている。〔共同〕

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