千葉県警柏署捜査本部は23日、捜査員の職務質問を振り切ろうとしたとして、公務執行妨害の疑いで職業不詳、酒巻馨容疑者(77)を改めて逮捕した。同県柏市の50代夫妻殺害事件や住宅火災に関わったとみており、慎重に調べる。

千葉県警柏署に入る、酒巻馨容疑者を乗せた車(23日午後)=共同

捜査本部によると、容疑者は夫妻の知人。夫妻宅や火災の現場から約15キロ離れた同県印西市で19日夕、車を急発進させ捜査員にぶつけようとしたとして現行犯逮捕されたが、下半身やけどのため即日釈放の扱いで入院。23日に退院した。公務執行妨害事件での身柄拘束ができていないことから、同じ容疑で逮捕状を取った。

殺害されたのは不動産会社役員の渡来敏明さん(59)と、妻の礼子さん(59)。18日午後6時過ぎ、自宅の外で胸や背中を刺され血を流し、倒れた状態で見つかった。約10分後、約650メートル先で火災が起きているとの119番があり、容疑者宅を含む8棟が全焼した。

捜査関係者によると、容疑者は夫妻との間に金銭トラブルがあったとみられる。火災現場で住宅に火を付ける様子の目撃情報も寄せられている。

捜査本部は当初、現住建造物等放火の疑いで逮捕状を得て容疑者を捜していた。同容疑や殺人容疑での再逮捕も視野に入れている。

容疑者は23日に逮捕された際、目をつぶり無言で応じたという。〔共同〕

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