大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で無罪が確定した不動産会社プレサンスコーポレーション(大阪市)の山岸忍元社長(61)が国に約7億7千万円の損害賠償を求めた訴訟が20日、大阪地裁で結審した。来年3月21日に賠償責任の有無を判断する中間判決が言い渡される。  この日の口頭弁論では、当時特捜部に所属していた田渕大輔検事(52)が、山岸氏の元部下を取り調べた際に「検察なめんなよ」「ふざけんな」などと罵倒し、机を強くたたいて怒鳴る様子が収められた約25分間の録音・録画データが法廷で再生された。  原告側代理人の秋田真志弁護士は「田渕氏は一方的に罵詈雑言を浴びせ続けており異常な取り調べだった」と陳述した。  取り調べの録画を巡っては、大阪地裁が2023年に計約17時間46分に及ぶデータの証拠提出を命じたが、大阪高裁が今年1月、約48分に短縮を決定。山岸氏側が不服を申し立て、最高裁が10月に地裁決定と同範囲の提出を認めた。録画映像は6月に実施された田渕検事らの証人尋問でも5分間ほど再生されている。

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