おととし4月、知床半島の沖合で観光船「KAZU I」が沈没した事故では、乗客と乗員合わせて20人が死亡、6人が行方不明になっています。
この事故をめぐり、乗客14人の家族など29人は
▽船を運航していた「知床遊覧船」と
▽桂田精一社長(61)に対して
合わせておよそ15億円の損害賠償を求める訴えを起こしています。
この裁判が来年3月13日に始まることが決まり、原告側の弁護士によりますと、この日にあわせて13人が意見陳述を行う見通しだということです。
今後の裁判で原告側は、事故の調査にあたった国の運輸安全委員会の報告書を引用したうえで、周辺の海域で悪天候が予想されていたにもかかわらず、船を出航させたことなどが過失にあたると主張する方針です。
これに対し、被告側は運輸安全委員会の報告書は、事故の責任を明らかにすることが目的ではないなどと反論し、争う方針です。
一方、桂田社長は運航管理者などとして事故を未然に防ぐ義務を怠り、乗客と乗員を死亡させたとして、ことし10月に業務上過失致死の罪で起訴されていますが、この事件の裁判の日程は決まっていません。
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