医療機関に支払われる診療報酬のうち、薬の公定価格の部分は市場価格を適切に反映し、医療費の抑制につなげるため、毎年改定が行われることになっています。

来年度の改定では、ことし9月の市場価格の調査をもとに引き下げが行われる方向ですが、製薬業界などには、毎年の下落が薬の開発能力の低下や供給不安を招いているとして見直しを求める声があります。

このため厚生労働省は、対象となる品目の公定価格を一律で引き下げる従来の方法を改める方向で最終調整しています。

具体的には、高い効果が見込まれる新薬などについては、ことしの調査で、公定価格と比べた市場価格の下落幅が5.2%を超えた品目だけに引き下げの対象を限定するとしています。

一方、医療費の増大を避けるため、先発医薬品については、市場価格の下落幅がより小幅な2.6%を超えた品目まで、引き下げの対象を広げるなどとしています。

さらに、20年以上据え置かれてきた国が薬の区分ごとに定める「最低薬価」も引き上げるほか、採算が見込めなくても、医療上の必要性が高い薬は臨時の引き上げを行う考えで、来年度の予算編成作業にあわせて最終的な対応を決める方針です。

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