3年前の2021年12月17日、大阪 北区のビルに入る心療内科のクリニックが放火され、巻き込まれた患者や医師、スタッフ合わせて26人が死亡しました。
この事件では谷本盛雄容疑者(当時61)も死亡し、その後、殺人と放火などの疑いで書類送検され、不起訴となっています。
現場のビルは3年がたった今も立ち入りができないようになっていて、クリニックが入っていた4階は割れた窓に板がはり付けられ、看板も当時のまま残っています。
事件から3年となる17日、現場には朝から遺族や友人、それにクリニックに通っていた元患者などが次々に訪れ、花や飲み物を手向けて犠牲者を悼みました。
このうち亡くなった院長の西澤弘太郎さん(当時49)の妹、伸子さんは午前8時ごろに訪れ、持参したテーブルに餅や酒などを供えたあと、静かに手を合わせていました。
また、クリニックに通っていた息子を亡くしたという母親も現場を訪れました。
事件から半年以上、ショックで眠れない日々を過ごしていたということで、母親は「事件のあと、一生分泣いた気がします。3年がたちようやく元気を取り戻してきました。息子が生きてきた数十年間、そしてこの3年間のすべてを受け止めて、思いを心の中にとどめておきたい」と話していました。
クリニックに通い、就労に向けたサポートも受けていたという40代の元患者の女性は「西澤先生のおかげで事件のあとに就職することができ、結婚もできました。そのことを今、先生に伝えられないのが悔しいです。大切な人を失うこのような事件は二度と起きてほしくない」と話していました。
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