中学生2人が刺されて死傷する事件のあった店舗(16日午前、北九州市小倉南区)=共同

北九州市小倉南区のマクドナルド322徳力店で14日、中学3年の男女2人が殺傷された事件で、腰を刺され入院中の男子生徒(15)の傷が、致命傷になりかねない深いものだったことが16日、捜査関係者への取材で分かった。福岡県警は、逃げた男が、男子生徒に対しても強い殺意を持っていたとみて詳しい状況を調べるとともに、行方を捜査している。

県警によると、腹を刺されて亡くなった同区の中島咲彩さん(15)が、男と面識があったかどうかは不明だが、中島さんの周辺で、事件につながるようなトラブルは確認されていない。

県警は16日、刃物のような物で2人を刺した40歳くらいの男が、黄色っぽいサンダルを履いていたと明らかにした。サンダルはつま先が出て甲が覆われた形。

男の身長は170センチくらい、着衣は上半身が灰色、下半身は黒。店の前の国道322号を徒歩で北に逃げたとみられる。

現場から北に約150メートル離れた自動車販売店の従業員によると、捜査員が15日に販売店を訪れ、14日午後10時過ぎに、販売店の店先に不審な男がいたとの情報について尋ねられた。販売店前の側溝から、たばこの吸い殻を回収したという。

現場近くでは16日朝、小学生の登校に保護者が付き添う様子が見られた。パトカーが巡回し、教職員や住民が通学路に並んで「おはよう」と声をかけ、児童を見守った。

県教育委員会は16日、私立を含む学校や幼稚園に向け、出入り口の施錠確認や、部活動の休止など下校時間を早める対応を求める通知を出した。

現場のマクドナルドは16日、ドライブスルーのみで営業を再開した。

男は14日午後8時25分ごろ店を訪れ、レジの列の最後尾付近に並んでいた2人にまっすぐ接近。無言のまま1回ずつ刺して店を出た。店内にいたのは30秒足らずだった。男子生徒の命に別条はなく、県警の聞き取りに「全く知らない人に刺された」と説明している。〔共同〕

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