第三者から提供された精子や卵子を使う不妊治療の制度を定める「特定生殖補助医療法案」を策定するために超党派議員連盟が開いた総会で、提供精子で生まれた当事者から意見聴取(ヒアリング)をしていないことが14日、共同通信の取材で分かった。法案を巡っては、生まれた人の出自を知る権利をどう担保するかが焦点となっており、専門家や当事者から、公の場で意見を聞くべきだったとの声が上がっている。
議連は10月、国立成育医療研究センターが精子や卵子の提供者の情報を管理し、生まれた子は成人に達すると「身長、血液型、年齢等」の、提供者を特定しない情報が開示されるという最終案を示した。議連側は「個別に話を聞いている」としているが、関係者から聴取する重要な場で意見を聞かれないまま法案の大枠がまとめられた形だ。
総会は2020年から24年10月までにオンライン併用などで計28回開催され、計33人が意見聴取の対象になった。共同通信が聴取対象者の肩書を整理すると、厚生労働省や国立国会図書館などの公務員が9人、産婦人科医が10人、研究者4人などで、提供精子や卵子で生まれた人は一人もいなかった。
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