福岡 福津 13年前の発砲事件 工藤会元幹部に無罪 地裁小倉支部

13年前、実行役らとともに、福津市で建設会社の社員の自宅に5発の銃弾を撃ち込んだとして、銃刀法違反や器物損壊などの罪に問われ、裁判で懲役12年を求刑されたのに対し、無罪を主張していました。

検察側は、被告が関与したと証言した指示役の供述調書を証拠として提出しようとしましたが、裁判所は「取り調べで誘導が行われた疑いがある」などとして採用しませんでした。

13日の判決で福岡地方裁判所小倉支部の渡部五郎裁判長は「当時、被告が最高決定権者だった事実は認められず、犯行が被告の関与や承諾なしに敢行されたとしても不合理とはいえない」と指摘しました。

そのうえで、被告が関与したとする実行役の証言については「検察の立証の柱だが、被告の関与を認めたり、証言を拒否したりするなど、自身の利害に関わる事情で態度を複数回変えている。重大な疑義が生じていて信用できない」と判断し、無罪を言い渡しました。

判決について、福岡地方検察庁小倉支部の岡本貴幸支部長は「判決内容を精査し、適切に対応する」とコメントしています。