横浜市の「はまぎん こども宇宙科学館」で5日に開かれたプログラミング教室には、年長から小学3年生までの9人とその保護者が参加しました。

子どもたちは科学館の担当者から「プログラミングとはコンピューターに“止まれ”や“脚を上げて”など命令を順序よく教えることです」と説明を受けました。

そして、専用のタブレット端末を使って、あらかじめ用意された“前に進む”とか“何秒間止まる”などのプログラムを並べるとロボットが指示された順番どおりに動くことを学んでいました。

最後に、おもちゃのブロックで作ったうさぎ型のロボットにタブレットで組んだプログラムを送ると、うさぎはぴょんぴょんと跳ねるように動きだし、子どもたちは満面の笑みをみせていました。

参加した小学1年生の男の子は「プログラミングでうさぎを動かすことができて楽しかったです」と話していました。

習い事として人気のプログラミング

プログラミング教育が小学校から高校までの授業で必修化されたこともあり、近年、子どもの習い事として人気を集めています。

全国で学習塾などを展開する企業では、小中学生などを対象にしたプログラミング教室を開設した2020年にはわずか6教室でしたが、ことし1月までの4年ほどでおよそ800教室にまで急激に数を増やしました。

生徒数の増加は毎年1.5倍から2倍ほどに達しています。

取材した都内の教室では、子どもたちがタブレットを使い、画面の中のキャラクターを動かすためのプログラムをタッチ操作で組み上げ、ゲーム感覚で次々とクリアしていきました。

参加した、当時4年生の男子児童は「学校でできないことなのでやりがいがあります」とか、当時3年生の男子児童は「友達がやっていたのでやってみたらおもしろかったです。将来はプログラマーになりたい」などと話していました。

この企業では来年1月の大学入学共通テストから「情報1」の科目が加わることを踏まえ、今後は高校生もターゲットにさらなる事業の拡大を考えているということです。

プログラミング教育HALLOの鳥海最 事業本部長は「必修必須化され、注目されているということと、考える力が身につくのでじわじわと層が広がっています。プログラミングの教育市場が一番伸びると思っています」と話していました。

100点以上のプログラムを開発した小学生も

岐阜県に住む小学4年生の伊藤紬記さんは、幼稚園のころ、お父さんのパソコンに興味を持ったことをきっかけにプログラミングにはまり、これまで100点以上のプログラムを開発してきました。

このうち、ふぐの姿をしたAIキャラクターとおしゃべりができるアプリは、スマートフォンに向かってしゃべりかけるとかわいい鳴き声と文字でことばを返してくれます。

紬記さんは毎日2時間ほどプログラミングの練習を続け、ときには自分から本で調べたりインターネットで検索したりしたということで、ことし3月に行われた全国の小学生が集うプログラミングの大会では、7300人以上の応募者の中から決勝の10人に選ばれました。

紬記さんは「さまざまな工夫をして好きなようにプログラムを作ることができるのでおもしろいです。将来はプログラマーになってAIも想像できないようなゲームや便利なアプリが作りたいです」と話しています。

父親の智彦さんは「コツコツと積み上げていく力が身につき、一個一個どうやったらできるかなとか考える癖がついてきてると思います。新しい物事へのアンテナが立っているのはプログラミングをやっていたからかなと思います」と話しています。

専門家 “論理的に物事を考える力が養う”

プログラミングを学ぶ効果について、信州大学教育学部の佐藤和紀准教授は「プログラミングを通じて、論理的に物事を考える力や社会の課題を解決しようとする力が養われると思う。繰り返し試行錯誤して完成させるという過程を通じて、失敗を改善する力も身につけさせることができるのではないか」と指摘します。

また、子どもたちのやりたい気持ちを応援することが重要だとしたうえで「子どもたちの意思決定や判断を尊重することでモチベーションが高い状態で学習できることが大事だと思う。インターネット上の教材を紹介するなど周りの大人が後押ししてあげることが大切だ」と話しています。

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