1966年の静岡県一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さん(88)を巡り、県警が実施している事件当時の捜査の事実確認について、袴田さんの弁護団は9日、犯行着衣とされ、有罪判決の根拠となった「5点の衣類」が証拠化された経緯などを、詳しく検証するよう求める申し入れ書を県警に出した。

県警の津田隆好本部長は5日の県議会で、事実確認をし、結果を公表すると述べた。県警によると、10月下旬から刑事部長以下約20人の態勢で当時の捜査員に聞き取りなどをしているという。

弁護団は申し入れ書で県警がどういった点の確認をしているか、明らかになっていないと指摘。今年9月、静岡地裁の再審判決が捜査機関による「実質的な捏造(ねつぞう)」と認定した5点の衣類の他、袴田さんの取り調べの録音テープや実況見分の記録の保管状況なども確認すべきだと主張した。

記者会見した小川秀世弁護士は「再審判決で違法行為が認められている。事実を確認し、対策を真剣に考えてもらいたい」と話した。〔共同〕

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