東京・小平市の塗装会社の社長、佐々木学容疑者(39)といずれも従業員の3人は、去年12月、板橋区の東武東上線の踏切で、会社の同僚だった高野修さん(当時56)を、線路に入るようしむけ、自殺に見せかけて殺害したとして、殺人などの疑いできのう逮捕されました。
警視庁は容疑者の自宅などの関係先を9日朝から捜索しています。
これまでの調べで、4人は高野さんにプロレス技をかけたり、腕を縛ったりするなど暴行の様子を撮影し、動画を共有していたことが分かっていますが、捜査関係者によりますと、こうした暴行は、3年以上にわたって続いていた疑いがあるということです。
また4人のスマートフォンを調べたところ、「高野さんが邪魔だ」という趣旨のLINEのやりとりが残っていたということです。
警視庁は4人が長期間にわたって高野さんに対する暴行をエスカレートさせ、指示に従わざるを得ない精神状態に追い込んでいたとみて詳しい経緯を調べています。
4人の認否については明らかにしていません。
捜査関係者への取材でわかっている容疑者4人と被害者の事件直前の動きです。
事件のおよそ2時間前にあたる去年12月2日午後10時ごろ、4人は板橋区内のコンビニに集まり、近くにある高野さんの自宅アパートに一緒に向かったということです。
高野さんの自宅に1時間半ほど滞在し、高野さんを車に乗せて5人でコンビニに戻ったということです。
そこから島畑容疑者と野崎容疑者の2人が高野さんを車に乗せて板橋区と埼玉県戸田市の境の荒川にかかる橋に連れて行ったとみられます。
野崎容疑者のスマートフォンには、「川は嫌だけど、踏切に行きたいんだって」などと、川に飛び込むようしむけたものの拒絶されたことをうかがわせる音声が残っていたということです。
島畑容疑者と野崎容疑者は、その後、高野さんを板橋区の踏切に連れて行き、12月3日の午前0時すぎ、高野さんが電車にはねられた直後、現場を離れたことが確認されているということです。
警視庁によりますと、亡くなった高野修さんは10年前の2014年ごろ、佐々木容疑者の会社で働き始めました。
2020年8月に1度退社し、その後しばらく警備員の仕事などをして生計を立てていましたが、2021年、再び佐々木容疑者の会社に戻ったということです。
事件前には会社が借りたアパートで生活し、家賃分が差し引かれた給料を受け取っていましたが、捜査関係者によりますと、現金が一切支払われず、食料の現物だけが支給されていた時期もあったということで、2023年10月、会社を離れていたということです。
高野さんが暮らしていたアパートの大家の男性は、「アパートの部屋を自分が案内しました。口数が少ない人でしたが、『いってらっしゃい』と声をかけると、『いってきます』と返してくれていました。警察が部屋を調べにきていたので、何があったのかと思っていました」と話していました。
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