中学校の校舎で続いた部活顧問からの性被害 なぜ見過ごされた

東京 練馬区の区立中学校の校長だった北村比左嘉被告(57)は、
▽14年前の2010年、校舎内で教え子の当時14歳のAさんに性的暴行をしてけがをさせ、
▽その様子や、別の女子生徒のBさんへの性的行為を記録したビデオカメラを校長室に保管した罪に問われています。

裁判で元校長側は性的暴行について、「受け入れられていると認識していた。女子生徒は断ることもできた」と無罪を主張しています。

一方、元生徒2人は10年以上前、当時、部活動の顧問だった元校長から繰り返し性被害を受けたと証言しました。

このうち、Aさんは「教師は絶対的な存在で、抵抗することが怖かった。内申点が下がるのが不安で退部もできなかった。卒業後は、なかったことにしたかった」などと、周りに相談できなかった事情を語りました。

検察は懲役10年を求刑していて、判決は9日午後3時、東京地方裁判所で言い渡されます。

事件発覚の経緯

事件発覚のきっかけは、ビデオカメラで撮影された元生徒のBさんが、2022年に東京都の相談窓口に、匿名で連絡したことでした。

情報を受けた警察が、2023年9月に校長室を捜索し、鍵のかかった机の引き出しから性的な映像や画像が保存されているビデオカメラを見つけ、元校長を逮捕しました。

そこには、別の元生徒のAさんを撮影した記録も残っていて、警察が特定して話を聞いたところ、Aさんは10年以上前の被害を打ち明けました。

検察は、映像などを保管していた罪に加え、抵抗できない状態でAさんに性的暴行を行い、けがをさせた罪でも起訴しました。

一方、先に相談したBさんへのわいせつな行為については立件せず、時効と判断したとみられます。

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