1986年の福井中3殺害事件で服役した前川彰司さん(59)の再審公判に向けた裁判所、検察、弁護団による3者協議が11日、名古屋高裁金沢支部で始まる。刑事訴訟法は「無罪を言い渡すべき明らかな証拠を新たに発見した時」に再審を開始すると規定し、再審公判で無罪判決が言い渡される公算が大きい。検察は今年10月の再審開始決定に不服を申し立てず、確定しており、どう対応するかが焦点。
検察は過去の再審公判で、1966年の静岡県一家4人殺害事件で死刑が確定した袴田巌さん(88)について有罪立証を維持し、死刑を求刑。袴田さんは再審初公判から約11カ月後の今年9月、無罪判決を受けた。一方、積極的に有罪を主張しなかったケースもある。2012年に開かれた東京電力女性社員殺害事件の再審公判では、検察側は被告は無罪だとする異例の意見書を陳述。即日結審し、無罪判決が言い渡された。
前川さんは確定前の一審福井地裁で無罪判決を受け、検察が控訴。二審の高裁金沢支部で逆転有罪となり、その後確定した。
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