大勢の買い物客や観光客でにぎわう「出張輪島朝市」=4日、金沢市で

 能登半島地震による火災で大半が焼失した石川県輪島市の「輪島朝市」が4日、金沢市の金石港周辺で開かれ、9500人(主催者発表)が訪れた。出張朝市は3月に続き、2度目。金石での開催は最後となる。  午前7時半ごろ、輪島市出身の太鼓奏者今井昴(すばる)さんによる和太鼓の演奏があり、開始を告げるアナウンスが流れた。大勢の人が列をつくり、開始時間は30分ほど早くなった。  オレンジ色のテントが並び、前回よりも5店舗ほど多い輪島市朝市組合の33店が出店。魚の干物や輪島塗の食器、塩などの特産品がずらりとそろった。  3代にわたり朝市で漬物を販売してきた堂宮春雄さん(72)は、全壊した自宅から残っていた漬物を取り出した。「たくさんのお客さんから頑張ってと言われて元気をもらえた。訪れてくれた人にはもちろん、運営に協力したもらった金石の皆さんにも本当に感謝している」と話した。  石川県内灘町に住む母と一緒に訪れた公務員の本(もと)貴行さん(41)=静岡県=は「今回の地震で実家が住めなくなったので、被災した人のつらさは痛いほどわかる。まだ能登には行けないので、こうして食べたり、飲んだりして応援したい」と話した。  輪島朝市は日本三大朝市の一つ。火災で露店が並ぶ「輪島朝市通り」を中心に店舗や住宅など約240棟が失われ、開催できない状態が続いている。前回の出張輪島朝市には1万3000人が訪れた。(西浦梓司) 

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