戦後最大の疑獄「ロッキード事件」の捜査に関わった元検事で、退官後はボランティア活動の普及に尽力した堀田力（ほった・つとむ）さんが１１月２４日、老衰のため死去した。９０歳だった。葬儀は近親者で済ませた。後日、お別れの会を開く予定。

１９３４年に京都府で生まれ、京大法学部を５８年に卒業。６１年に検事となり、７６年から８年余りにわたって東京地検特捜部に在籍した。ロッキード事件の捜査では米国に派遣され、元ロッキード社副会長（故人）の嘱託尋問に立ち会うなどした。

その後、法務省人事課長や甲府地検検事正、法務省官房長を歴任。９１年に退官し、弁護士登録した。

退官後は、「さわやか福祉推進センター」（現・公益財団法人「さわやか福祉財団」）を発足させ、理事長・会長として高齢化社会に向けたボランティア普及に取り組んだ。

厚生労働省が設置した、高齢者介護の在り方を中長期的な視野で検討する研究会の座長や、政府税制調査会の委員にも選ばれるなど、幅広い分野で活躍。東日本大震災で日本赤十字社と中央共同募金会に寄せられた義援金の配分について決める有識者委員会の会長も務めた。

２０２３年には社会文化の興隆への功績が認められ、東京都名誉都民として顕彰された。

堀田力さん

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