◆取材で戸惑った「グルーミング」された子どもの複雑さ
「被害者が協力してくれ、番組放送後も声を出してくれたことでどんどん(問題が)大きくなった」。11月30日、東京都豊島区の立教大で開かれた公開講座の冒頭、ドキュメンタリー映画監督インマン恵さん(37)がそう切り出した。旧ジャニーズの性加害問題について発言するインマン恵さん=11月30日、東京都豊島区の立教大池袋キャンパスで(安江実撮影)
インマンさんは東京生まれ。フリーのプロデューサー・ディレクターとして故ジャニー喜多川氏の性加害問題を追及した「J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル」を制作した。「性被害の取材はデリケート。ハードルが高いと思っていた」と振り返った。 元所属タレントへの取材を進める中、思いがけない反応に戸惑ったという。涙ながらに被害を語る人がいた一方、体を触られる体験をしながら「大きな問題ではない」「今でもジャニーさんが大好き」と話した人も。「まさに(手なずけて性行為を求める)グルーミング。子どもが経験する性犯罪の複雑さを感じた」 ジャニー氏の性加害問題は1999年に週刊文春が報じ、名誉毀損(きそん)訴訟に発展。東京高裁が性加害を認定して確定したが、その後も積極的な報道はなかった。今回、インマンさんは新聞社やテレビ局に取材を申し込んだが、ほとんど断られた。沈黙の背後に「おびえ」を感じたという。◆「重大問題がなぜ軽く見られたのか、追及しないと」
番組は、昨年3月に英国で放送され、反響を呼んだ。とりわけ「少年への性犯罪が裁判でも明らかになったのに、何十年も何もされてこなかったことが注目された」。BBCでは著名司会者だったジミー・サビル氏が2011年に死去した後、未成年者らへの200件以上の性加害が発覚。局内の検証番組が中止になり、批判が集まった経緯がある。インマンさんは「旧ジャニーズの問題は日本特有ではない。権力関係の不均衡があるところに起き、米国やさまざまな業界でも生じている」と指摘した。「J-POPの捕食」に関する記事(BBCニュース・ジャパンの公式ホームページよりスクリーンショット)
放送翌月の昨年4月、元所属タレントのカウアン・オカモト氏が記者会見し、被害を告白。それを機に、日本でも一気に社会問題化した。9月には当時の藤島ジュリー景子社長らが記者会見して謝罪。社名は「SMILE-U」(スマイルアップ)に変更され、被害者への補償が続く。タレントのマネジメントは「STARTO ENTERTAINMENT」(スタートエンターテイメント)に引き継がれた。 BBCの報道から1年9カ月。日本のメディアが自ら過去の報道姿勢を検証する機会はわずかで、性加害問題の報道も減りつつある。講座で聞き手を務めたジャーナリスト、綿井健陽氏が「民放放送局はこの問題は終わったという扱い」と話し、インマンさんが「どういう意味ですか?」と驚く場面も。昨年10月に40代の元所属タレントが自死し、被害者への誹謗中傷も深刻化している。ジャニー氏以外の事務所スタッフによる性加害の発覚も踏まえ、「問題は終わっていない。なぜ子どもへの性犯罪という重大な問題が軽くみられたのか、追及しないといけない」と力を込めた。◆キラキラした世界の裏「本当?と疑った」
同大の学生はどう受け止めたのか。Snow Manのバラエティ番組が好きという3年内藤雅さんは「かっこ良くてキラキラした世界の裏で性加害問題が起きていたと知り、本当? と最初は疑った」と話し、告発した被害者が交流サイト(SNS)で非難される様...残り 1577/3153 文字
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