◆知事は「県全体に富士山の恵みが行き渡る」と自信
「富士トラム」のイメージ（山梨県のホームページから）
「実現すれば、県民の暮らしが向上し、県全体に富士山の恵みが行き渡る」 長崎知事は11月18日の会見でトラムの紹介動画を流し、こうPRした。 県によると、想定するトラムは1編成2連結で定員120人の見通し。麓と5合目をつなぐ既存の有料道路「富士スバルライン」を走らせる方針だ。鉄のレールを敷かず、路上に白線などを引くなどしてセンサーでルートを感知する。
山梨県側から望む富士山
整備の目的は、オーバーツーリズム対策という。県はこれまで登山期間中、有料道路にマイカーを入れず、観光・路線バス、タクシーのみとしているが、過剰な観光客流入は防げていない。トラムを導入すれば、軌道法に基づき、全ての一般車両の進入を防げるという。県担当者は「トラムの運行ダイヤを編成すれば来訪者を自由にコントロールできる」と語る。 長崎知事は初当選した2019年の知事選で公約に「富士山登山鉄道構想」を掲げていた。だが環境影響やLRT運行の安全性などへの懸念が大きく、整備は始まらず調査検討にとどまっていた。先の県担当者は「構想自体ではなく、鉄レールの断念だ。『鉄道ありきではなく、さまざまな選択肢を示すべきだ』という声もあり、トラムを提案した」と説明した。 では、これで問題は解決するのか。◆住民「今後も不透明な議論...
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