袴田巌さん(88)は静岡県で一家4人が殺害された事件の再審で無罪が確定し、逮捕から58年を経て「死刑囚」の立場から解放されました。
袴田さんは1日、地元の浜松市で開かれた報告集会に参加し、10年前に静岡地方裁判所の裁判長として袴田さんの釈放を認めた元裁判官の村山浩昭さんと無罪確定後、初めて対面しました。
この中で姉のひで子さん(91)は、村山さんに対し、「本当に命の恩人です」と感謝を伝えました。
袴田さんは、長期間収容された影響で意思の疎通が難しくなっていますが、集会であいさつし、「長い闘いでございました。最後には勝ったということで、輝かしい勝利の日々を迎えています」と述べました。
このあと、村山さんが「勝ちましたね」とことばをかけながら袴田さんの手を力強く握ると、会場から大きな拍手が送られ、村山さんは感極まった様子で涙をぬぐっていました。
対面のあと村山さんは「袴田さんが裁判に勝ったことを感じ、皆さんに伝えようとするのを聞いて本当にうれしかった。58年は想像を絶する長さで、袴田さんに起きた不幸な事態をどうやって生かしていくのかが問われている」と話していました。
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