東京都足立区の寺の住職(当時70)を一酸化炭素中毒で殺害したとして、殺人罪などに問われた千葉県鎌ケ谷市の墓石販売会社「鵠祥堂(こくしょうどう)」の代表取締役・斎藤竜太被告(51)に対し、東京地裁(野村賢裁判長)は29日、懲役25年(求刑懲役30年)の判決を言い渡した。

 起訴状によると、被告は同社役員の女=殺人罪などで起訴=と共謀し、2023年7月に寺の地下納骨堂に侵入して練炭を設置。火を付けて立ち去り、翌朝に納骨堂に入った住職を一酸化炭素中毒で殺害したとされる。助けに入った住職の妻と次女を一酸化炭素中毒で殺そうとした罪にも問われた。

 被告は初公判で起訴内容を認め、「住職が死んでしまっても仕方がないと思っていました」と話した。

 検察側は論告で、事件当時の納骨堂内の一酸化炭素濃度は、数十分で死に至る数値の2倍以上だったとして「危険性が極めて高い犯行だ」と指摘。被告らは事前に練炭を準備し、事件当日に住職が納骨堂に入る可能性が高いことも認識して犯行に及んでおり、計画的で強い殺意があったと述べた。

 弁護側は、寺が土地を提供して被告らが進めた霊園事業をめぐって住職が条件の変更や追加を繰り返し、住職が被告を侮辱することがあったと指摘。被告に確定的な殺意はなかったとして懲役20年が相当だと主張していた。

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