大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)に性的関係を強要されたとして、政治活動で関わりのあった府内の女性が市長に慰謝料など約2280万円の損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁で和解した。女性側の代理人弁護士が28日、明らかにした。市長は女性に謝罪し、解決金500万円を支払うという。和解は14日付。

永野市長は大阪市内で記者団の取材に応じ、和解内容は言及できないとした上で「世間をお騒がせし申し訳ない」と陳謝。辞職については「考えていない」と述べた。

和解調書によると、林潤裁判官は「市長は女性の就職や雇用維持を左右し得る優越的な立場にあった」と指摘。公人で、配偶者もおり「非難は免れない」とした。

女性側代理人によると、女性は2019年6月から21年1月ごろまで市長に性的関係を迫られた。心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し休職。21年7月、強制性交容疑の被害届を府警に提出、大阪地検が同12月に不起訴としたのを受け、22年6月に提訴した。

女性は訴訟で「仕事を辞めさせられると思い、関係を拒めなかった」と主張。一方、市長側は「同意があった」として請求棄却を求めていた。

女性は代理人を通じ「立場や権力を乱用し、恐怖でおさえつけ、言葉の暴力で精神的に支配し、逃げられないようにすることが同意なのか」とのコメントを出した。

永野市長は18年、政治団体・大阪維新の会公認で初当選し、2期目。〔共同〕

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