危険運転致死傷罪をめぐっては、適用要件があいまいだとの指摘があることから、法務省が有識者も交えた検討会で見直しの議論を進め、27日に報告書がまとまりました。

この中では、飲酒運転について、アルコールの影響を受ける個人差などにかかわらず、一律に危険運転致死傷罪の要件を満たすと言える数値基準を設けることが考えられるとしています。

そして検討会で出た意見として、体内アルコール濃度の検査で、呼気1リットルにつき0.5ミリグラム以上、0.25ミリグラム以上、0.15ミリグラム以上とする選択肢もあり得ると付記しています。

また、高速度での運転については、交通状況などにかかわらず危険性が認められる数値基準を定め、それを満たす速度での走行を一律に対象とすることが考えられるとしていて、規定の最高速度の2倍や1.5倍を基準にするべきだとの意見も検討会で出されたとしています。

一方、報告書では罰則に関する検討結果も明記されています。

最大で懲役20年となる「危険運転致死傷罪」と、最大で懲役7年となる「過失運転致死傷罪」の中間に当たる処罰規定を設けるかどうかも議論されましたが、罪の類型をさらに細かくするのは難しく、慎重に検討する必要があるなどとしています。

法務省では、報告書を踏まえ、今後、法改正の必要性などについて議論を進める方針です。

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