渋谷区では、落書き行為を条例で禁止していますが、渋谷駅周辺を中心に被害が後を絶たず、地域のボランティアとともに落書きを消す取り組みを進めています。
26日は、日本経済大学の渋谷キャンパスに通う学生およそ100人が、地域をきれいにしようと渋谷駅周辺で落書きを消すボランティア活動を行いました。
学生たちは、区の職員から落書きの消し方を教わったうえで、建物や看板にスプレーで描かれた落書きに専用の溶剤を塗って布巾でみがいて消していました。
また、電柱などに貼られたステッカーについても丁寧にへらでこすってはがしていました。
参加した男子学生は「渋谷は落書きが多いので大変だと思ったが、消せた時には満足感がありました。いつかは渋谷が、ごみとかステッカーとか、落書きがないきれいなまちになってほしいです」と話していました。
学生によるボランティア活動は11月29日まで行う予定で、合わせて400人が参加するということです。
“区民からの情報提供で” 渋谷区の落書き対策
渋谷区では、区民の協力を得ながら落書きを消去する対策を進めています。
渋谷区は若者を中心に人が多く集まることから、街なかに落書きやステッカーが貼られる被害が多発しています。
区は、これらを放置すると治安の悪化につながるとして、区民からSNSで街なかにある落書きの情報を寄せてもらい、それをもとに委託した事業者が消去する対策を行っています。
昨年度までの3年間で、およそ1050か所、面積にしておよそ1万2000平方メートルの落書きを消去し、およそ2億8000万円の費用がかかったということです。
ことし7月からは、さらに対策を加速させようと、市民にもボランティアで消去活動に協力してもらっていて、区内の落書きは減少傾向にあるということです。
渋谷区環境整備課の吉澤卓哉 課長は「落書きは1か所あるとどんどんそこに新たな落書きが描かれてしまうので、区の方針として治安悪化を防ぐために、落書きがあれば消しています。渋谷のまちに愛着を持っていただけるように、住みやすい、あるいは遊びやすい安全な環境作りと啓発を続けたい」と話しています。
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