5月18、19日に東京国際クルーズターミナル(東京都江東区)で開催される「第75回東京みなと祭」の水上タクシー体験乗船会について、都や港湾関係団体でつくる主催の協議会が、車いす利用者の参加を断る通知を当選者に事前に出していたことが、協議会への取材で分かった。

車いす(資料写真)

 当選者から「(合理的配慮の提供を義務付ける)障害者差別解消法の趣旨に反するのでは」と指摘を受け、車いす利用者にもできる限り対応するよう方針を転換した。協議会は「認識が不足していた」としている。  協議会によると、「みなと祭」は20日の東京港開港記念日に合わせて開催する。水上タクシーは全長約7.4メートル、定員8人。2日間で計20便運航し、それぞれ東京湾を約45分間周遊する。3月21日~4月15日に申し込みを受け付けた。  4月下旬、抽選で当選した約160人に「車いす利用者の乗船をお断りしている」という趣旨をメールなどで通知した。乗降する場所にスロープがないなど設備やスペースの課題、安全面を考慮したためという。  その後当選者からの指摘を受けて、車いす利用者も個別に相談に応じて可能な限り参加できるよう対応することを決めた。当選者には改めてメールで伝える。車いす利用者の申し込みは現時点で確認されていないという。  障害者差別解消法は、障害を理由とした不当な差別を禁止し、障害者の申し出に応じて負担が重すぎない範囲で生活上の困りごとや障壁を取り除く「合理的配慮」を事業者に義務付けている。(三宅千智) 

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