志賀原発内で事故を想定した訓練に取り組む北陸電力職員ら(24日午前、石川県志賀町)=共同

石川県と北陸電力などは24日、志賀町の志賀原発2号機が大地震の影響で外部電源を喪失したとの想定で防災訓練を実施した。元日の能登半島地震後初の開催。地震で半島内の道路寸断が多発したことを受け、事前の計画通りに避難できないケースへの対応を確認した。

原発周辺地域は地震からの復旧途上のため、住民には参加を呼びかけなかった。

訓練は、能登半島地震と同じ震度7の地震が志賀町で発生して原発事故が発生。放射性物質が拡散したとの想定で、北陸電や自治体などから約600人が参加した。

自治体の避難計画で定めた半島北部が地震で被災し、住民を受け入れられないと仮定し、自治体職員らが避難先調整の進め方を確認した。道路寸断を想定した航空自衛隊ヘリコプターによる輸送や、放射性物質の検査などの訓練も行った。

事故時、高齢者らは放射線から身を守る施設に一時的に避難することが求められているが、元日の地震では一部施設が損傷した。これを受けて今回の訓練では、空気で膨らませて中に住民を退避させる「エアテント」の設営が実演された。

原発内では、東京電力福島第1原発事故後に増設された緊急時対策所に北陸電の職員ら約60人が入り、対応の流れをチェックした。

訓練を視察した石川県の馳浩知事は「関係機関で段取りを確認しておくことが大事で、有効な訓練となった。来年度以降は住民参加を求めたい」と述べた。〔共同〕

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