大手ドラッグストア「スギ薬局」で処方された薬を服用した女性が亡くなったのは、薬剤師の調剤ミスが原因だとして、遺族2人が同社と薬剤師らに賠償を求めた訴訟は22日、東京地裁で和解が成立した。会見した遺族側によると、同社側がミスを認めて女性の死亡について謝罪し、遺族側が求めた約4200万円を全額支払うという。

 亡くなった女性は田村マキさん(当時74)。訴状などによると、田村さんは2021年10月、都内のスギ薬局の店舗で、薬剤師から血糖値を下げる糖尿病患者向けの薬を誤って渡され、服用した。約1カ月後に意識不明となり、翌年5月に心不全で亡くなった。

 遺族側は、薬を個分けする「分包機」に他の患者の薬が残っていたのを薬剤師が見逃したなどと訴えていた。和解成立後に会見した長男は「母の命が奪われてしまったのは無念でならない。(スギ薬局側には)人の命が亡くなってしまったことの責任を重く受け止めてほしい」と語った。

 スギホールディングスは「亡くなられた患者様のご冥福を心よりお祈り申し上げ、ご家族様には深くおわび申し上げます。調剤過誤を発生させることのないよう店舗管理を徹底し、グループ全店で再発防止を徹底してまいります」などとコメントした。(米田優人)

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