自民党の最大派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化したとされる事件で、東京地検特捜部は2日、政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いで告発されていた同派の萩生田光一・前政調会長と世耕弘成・前参院幹事長を不起訴処分にし、発表した。証拠が足りない「嫌疑不十分」と判断した。還流を受領した議員側の不起訴処分は今回が初めて。

 萩生田氏の秘書と世耕氏の会計責任者については、悪質性が低いとして起訴を見送る「起訴猶予」で不起訴とした。

 安倍派では所属議員がパーティー券の販売ノルマを超えて集めた分を裏金として議員側に還流し、資金の流れを派閥や議員側の収支報告書に記載していなかったとされる。特捜部は1月、不記載額が3千万円を超えた3議員を起訴して捜査を終結。自民党の公表では萩生田氏が2728万円、世耕氏が1542万円の不記載だった。

 告発した大学教授は派閥からの還流を受領した他の議員も告発しており、萩生田氏や世耕氏らについて、不起訴を不服として検察審査会に審査を申し立てる方針。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。