福井県越前市の会社の縫製工場で働くベトナム人技能実習生11人が20日、会社から不当・不法な処分を受けているとして、福井労働基準監督署に是正勧告するよう求めた。生活面や業務でのミスを「罰金」として、減給や出勤停止の処分をされたという。

 申し立てた実習生は20~30歳の女性10人、男性1人で、この会社の坂井市の工場に勤務している。同日、支援するゼネラルユニオン福井の高原一郎執行委員長とともに福井市内で会見した。

 「寮の掃除が行き届いていない」「自転車にカギをしていなかった」「部屋のカギを閉め忘れた」「作業内容の確認を怠った」などの理由が重なると、会社側が口頭で「罰金」と説明する減給処分が科され、給与から天引きをされたり、出勤停止になったりしたという。

 処分により、社会保険料や家賃・光熱費などを引いた月給の手取りが3万~4万円のときもあった。労基署には、会社側に減給分の返金や本来受け取れるはずの賃金を支払うよう指導を求めた。また、大声で罵倒されるなどパワーハラスメントを受けたとして、福井労働局に調査・指導を求めた。

 実習生の1人は「日本に来たばかりでミスをしてしまう人もいる。納得がいかない」と話した。

 会社側は「訴えている内容が分からないのでコメントできない。事実確認を行った上で、きちんと対応していく」としている。(永井啓子)

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