指定暴力団松葉会の本部事務所がある東京都台東区の土地の所有者が、同会側に土地の明け渡しなどを求めた訴訟で、東京地裁(本多智子裁判長)は21日、土地を明け渡すよう命じる判決を言い渡した。
判決によると、つくばエクスプレス浅草駅近くの土地の所有者は1995年、松葉会の関連企業と賃貸借契約を締結。その後、4階建てビルが建てられ、遅くとも97年から松葉会の本部事務所として使われた。
所有者は、契約時は利用方法を知らず、後に事務所として使われている疑いを持ったが、危害を加えられることをおそれ、長らく契約の解除ができなかった、と訴えていた。
判決は、暴力団の本部事務所は敵対組織からの襲撃対象となる可能性が高く、2020年1月には、火炎瓶がビルに投げつけられる事件があったと指摘。「近隣住民に危害が生じるような態様で土地を使用してはならないという義務に違反する」と判断し、松葉会側に土地の明け渡しと賃料相当額の支払いを命じた。
判決後の会見で、所有者の代理人弁護士は「判決は、社会的な暴力団排除・撲滅の機運に沿った極めて妥当なもので意義がある」と評価した。
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