石川県白山市のホテルの客室で女性を殺害し現金を盗んだなどとして、殺人や窃盗などの罪に問われた無職中村信之被告(55)=同市=の裁判員裁判で金沢地裁は20日、「強固な殺意に基づく残虐な犯行だ」として求刑通り懲役30年の判決を言い渡した。
野村充裁判長は判決理由で、無断欠勤などにより仕事や金を失って自暴自棄になった被告が、人を殺したいという願望を実行に移そうと考えたと指摘。面識のない女性をホテルに誘い出して自作の刃物で突き刺したとし、「被害者は激しい肉体的、精神的苦痛の中で尊い命を奪われた。遺族が厳しい処罰を望むのも当然だ」と強調した。
一方で、事実を認め、犯行状況や動機などを具体的に供述しているとして「真相解明に寄与していることは、多少考慮することができる」とした。裁判長は判決言い渡し後、裁判官や裁判員の総意として「女性や遺族、親しい方々の無念を忘れずに一生をかけて罪を償ってもらいたい」と語りかけた。
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