SNSで多くのフォロワーを集める台湾のインフルエンサー2人が、3日間の観光体験ツアーで鳥取市を訪れた。SNSで鳥取の魅力を発信してもらい、台湾からの観光客を呼び込もうと市が招待した。市側の〝推し〟は「紅葉」「民芸」「スイーツ」、そして「砂丘」。さて、2人の反応は――。

 「まだ葉が黄色くなくて残念」。緑色の葉に覆われた高さ約30メートルの大イチョウを撮影しながら、Aura(歐拉(オーラ))さんと金大佛さんが辺りの田園風景を眺めた。市の担当者は「1週間後だったら、きっと」。2人は笑顔を返し、「でも、すごくきれいな景色。あまり知られていない紅葉スポットを紹介したい」。

 「女子旅」の情報などを発信するAuraさんのフェイスブック(FB)のフォロワーは約6万5千人。金さんは旅行と美食の情報などを発信し、フォロワーは約3万1千人だ。普段は別々に活動しており、鳥取を訪れるのはAuraさんが7回目、金さんは2回目という。

 ツアーは市が2017年から台湾の旅行会社に委託している事業で、コロナ禍による中断を経て昨年から再開。今年は11月13~15日に開かれた。来日するインフルエンサーは旅行会社が毎回人選し、訪問先も同社が主にネット検索で決めている。

 初日は紅葉スポットを巡ったあと、鳥取市河原町の窯元へ。3色の染め分け皿が有名な「因州中井窯」と、江戸時代から続く「牛ノ戸焼窯元」を訪ねた。

 無名の職人たちによって生み出された日用品の「民芸」。金さんは「台湾でも知られている。台湾の人にも長く愛されるような色の組み合わせ」。Auraさんも「シンプルなデザインにモダンな雰囲気。台湾の若い人たちに、これから人気が出るかも」と話した。

 2日目は「鳥取砂丘 砂の美術館」に行き、大きな砂像が並ぶ展示室で次々と写真を撮った。金さんは「台湾にも砂像の展示施設はあるけど、これほどの迫力はない。水だけで固めた砂を彫ったのに、とても繊細な表現で素晴らしい」。鳥取砂丘も訪れて、ラクダの背にもまたがった。

 この日は地元で人気のパン店や老舗和菓子店も訪れた。Auraさんは「デザインがおしゃれ。伝統と新しい流行をうまく組み合わせている」、金さんは「普段は甘いものを食べないけど、鳥取で食べたらおいしかった」と笑顔を見せた。

 夜には日本海の冬の味覚、ズワイガニも味わった2人。最終日はJR鳥取駅周辺を巡った。同行した市職員は「地元の人しか知らないようなスポットにも興味を持ってもらえた」と話した。

 記者は、どんな情報を発信しますか、と2人に尋ねた。

 Auraさんは「あまりにもいっぱいありすぎて、台湾に帰って整理しないと。あまり有名じゃないけど、きれいな場所を紹介してほしいという声が多いので、そういうところを紹介したい」。金さんは「きれいな写真がたくさん撮れました」とカメラに手を添えた。

 Auraさんのブログは「歐拉。旅行不孤單」(http://aura.tw/)、FBはhttps://www.facebook.com/Aura10、金さんのブログは「金大佛的奪門而出家網誌」(https://yama.tw/)、FBはhttps://www.facebook.com/JinDaFuiRunAwayDaily(富田祥広)

インフルエンサーが訪問した主なスポット

【紅葉】宇倍神社、鳥取藩主池田家墓所、仁王堂の大イチョウ、鳥取東高校イチョウ並木

【窯元】因州中井窯、牛ノ戸焼窯元

【飲食店、和菓子店】たくみ珈琲店、スペイン石窯パンの家ボノス、土井製菓立川店、らっぱや大谷商店、宝月堂、甘味屋鳥取店

【その他】鳥取砂丘 砂の美術館、鳥取砂丘こどもの国、鳥取城跡ライトアップ

※仁王堂の大イチョウは鳥取県八頭町、他は鳥取市

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