◆1968年から毎年、卒業生代表が朗読
卒業式で朗読することが伝統となっている谷川俊太郎さんの詩「あなたに」の直筆原稿を手にする栃倉和則校長＝東京都杉並区の都立豊多摩高校で（平野皓士朗撮影）
谷川さんの母校、東京都立豊多摩（とよたま）高校（杉並区）では1968年3月の卒業式から毎年、谷川さんの詩「あなたに」を卒業生代表が朗読する。卒業生らがメッセージを依頼し贈られた詩。燃えさかる火と流れやまぬ水、生き続ける人間の三つの「矛盾にみちた未来のイメージを贈る」とうたう一方、「答えは贈らない」という内容だ。栃倉和則校長は「生徒自ら切り開いていってほしいという心意気を感じる」と話す。
谷川俊太郎さんの詩「あなたに」の直筆原稿（拡大）＝東京都杉並区の都立豊多摩高校で（平野皓士朗撮影）
2014年には谷川さんが同校文芸部を指導する機会も。部長の石原果歩さん（17）＝2年＝は「言葉が思い付かなくて心が折れそうになる時もあるけど、偉大な先輩の存在が背中を押してくれる」と話す。部員の峯田陽仁（はると）さん（17）＝同＝は谷川さんの作品について「独創的なオノマトペ（擬声語）とか普通には思い付かないような発想で、創作の参考になる」。部員はこの日追悼の詩を制作。来月発行の部誌に載せるという。◆地元の特色、子どもへの思いちりばめた校歌
谷川さんは地元の特色をに...残り 532/1063 文字
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