内閣府などの関係省庁と民間で構成するシートベルト・チャイルドシート着用推進協議会が19日までに、チャイルドシートの使用推奨基準とする「身長140センチ未満」について、危険性が排除できないとして取りやめたことが分かった。

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福岡市で8月、チャイルドシートを着けずに軽乗用車に乗っていた姉妹が死亡する事故があり、推奨基準の見直しが進められていた。

警察庁は「統一的な身長基準を検討する必要がある」と指摘、道路交通法の改正が必要か検討する。協議会に加盟する日本自動車連盟(JAF)などは事故後、独自に基準を140センチ未満から150センチ未満に引き上げており、協議会で事務局を担う内閣府の担当者は「より安全に使用するためには150センチ未満を参考にしてほしい」としている。

協議会は今後「6歳以上でも体格に合わせ、正しい姿勢での使用」を強調し、着用の重要性を訴える。推奨基準はこれまで、加盟団体や企業によって異なっていた。

道交法は6歳未満のチャイルドシートの使用を義務付けているが、身長の規定はない。低身長の子供のシートベルト使用は危険性が指摘され、姉妹の事故では妹がチャイルドシートの対象だが2人とも使用せず、シートベルトをしていた。

事故は福岡市早良区の国道で発生。軽乗用車と路線バスが衝突した。7歳と5歳の姉妹は後部座席に乗っており、死因は腹部の損傷による出血性ショックで、シートベルトで腹部を圧迫されたとみられる。

JAFによると、身長が150センチに達していない子供がチャイルドシートを使わない場合、首や腹部の軟らかい部位にシートベルトが当たり、衝撃で首や内臓を損傷する危険があるという。姉妹は140センチ未満だった。

22年度の学校保健統計調査では、11歳の平均身長は女児147.9センチ、男児146.1センチで、男女とも150センチを超えるのは12歳となっている。

警察庁とJAFが5月に実施した全国調査では、1歳未満のチャイルドシート使用率は91.7%だが、5歳児は57.9%まで低下。6歳未満全体は78.2%。6歳未満で使用しなかった場合、致死率が約4.2倍になる。〔共同〕

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