アメリカ軍は抑止力の強化や空母の交代などに伴い、岩国基地の海軍の空母艦載機部隊に、CMV22オスプレイと、最新鋭のステルス戦闘機F35Cを配備することを明らかにしています。
基地では17日午前8時ごろから空母艦載機部隊が到着する様子が報道関係者に公開され、滑走路に次々とF35Cなどが着陸していました。
また、CMV22オスプレイも公開され、オスプレイの隊員が長距離移動のためほかのオスプレイよりも燃料が多く積めることなどを説明しました。
岩国基地に配備される新機体は、CMV22オスプレイが4機程度、F35Cが14機程度だということです。
在日アメリカ軍でオスプレイが配備されるのは、沖縄県の普天間基地と東京の横田基地に続いて岩国基地が3か所目で、海軍のオスプレイやF35Cの配備は国内で初めてです。
今回の配備について地元の岩国市や山口県などは、国から新たな機体の安全性などの説明を受けたうえで容認や理解の意向を示した一方、地元の市民団体は県や市に対し国に配備の撤回を求めるよう要請しています。
岩国市「周辺住民の生活環境に最大限配慮した運用を」
空母艦載機の到着を受けて、山口県岩国市の基地政策課は「空母艦載機の岩国基地での運用にあたっては、騒音軽減への努力など周辺住民の生活環境に最大限配慮した運用を行っていただきたいと考えている。市としては引き続き、配備後の航空機の騒音や運用などの実態把握に努めていく」というコメントを出しました。
岩国基地の機能強化に反対の住民団体「市民の不安一層増す」
NHKの取材に対し、岩国基地の機能強化に反対する住民団体の久米慶典事務局長は「最新鋭の戦闘機であるF35Cや多様な任務に就くオスプレイの配備は岩国基地の機能強化で、市民の安心安全とは相いれない。安全性が非常に疑問視されるオスプレイが日常的に訓練を行うことになれば、岩国市民の不安は一層増す」と話しています。
岩国市民は
岩国市内に住む70代の女性は「航空機が配備されても税金が安くなったりする見返りがないので、配備は歓迎できない」と話していました。
70代の男性は「オスプレイが本当に危険な機体ならばアメリカ軍も使わないと思うが、墜落事故が発生しているのも事実で、どちらが本当か分からず判断が難しい。アメリカで事故があっても日本がチェックできない体制が課題だと思う」と話していました。
50代の男性は「岩国市は米軍基地の町で助成金も入ってくるので、自分はいいと思う。ただ、オスプレイは事故も多いので、技能の向上や整備をしっかりして運用してほしい」と話していました。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。