自衛隊基地が新設される馬毛島(鹿児島県)の国有化を政府が目指していた2019年秋、島のオーナー企業に中国の国有企業の幹部が接触し、資金提供を持ちかけた可能性があることが明らかになった。双方企業の幹部同士の会食には、桜田義孝・元五輪担当相が同席していたとみられる。

 何があったのか――。朝日新聞は今春以降に複数回、桜田氏に取材した。

 桜田氏は当初、「記憶はない」、会食にいた島のオーナー企業幹部の立石勲氏との「面識もない」とした。

 しかし、取材中に桜田氏が自身のスマートフォンを検索すると、立石氏のフルネームと電話番号が登録されていた。桜田氏はスマホの画面を記者に見せ「全然わからない」と話した。

 5月下旬に行った4回目の取材では、記者が示した会食時の写真を見て、「会合にいたんだろうね。これ、俺だ」と口にした。

 当時現役の国会議員で、その数カ月前まで閣僚だった人物がこうした会食に出席すること自体、安全保障上のリスクではないか――。記者が問うと、桜田氏は「(中国側に)そういう意図があったなら、会合には出なかった。誰に呼ばれたのかもわからない。面談に関しては偏見をもたずに対応するが、十分に気をつけるべきだった」と答えた。(岡戸佑樹、高島曜介、台北=高田正幸)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。