10月27日、陸上自衛隊の輸送機オスプレイ1機が沖縄県の与那国駐屯地を離陸しようとした際にバランスを崩し、機体の一部が地面に接触して損傷しました。
乗っていた16人にけがはありませんでしたが、陸上自衛隊は事故調査委員会を設置して原因の究明を進め、14日、結果を公表しました。
それによりますと、離陸する際に副操縦士がエンジンの出力を一時的に上げるスイッチの操作を怠ったため、出力が不足して機体が傾いた状態で高度が下がり車輪が一度、地面に接触したということです。
その後、再び機体が上昇しましたが、機長が機体の姿勢を制御する操作を誤り、左右に大きく揺れた結果、一部が地面に接触して損傷したとしています。
陸上自衛隊は機体には問題がないとして
▽離陸の際にスイッチの操作を忘れることがないよう、周囲に印をつけるほか
▽離陸中に出力が低下した場合の緊急操作を徹底するなどして再発防止を図るとしています。
事故のあと、陸上自衛隊は17機すべてのオスプレイの飛行を見合わせていますが、関係自治体に説明したうえで、14日以降、再開させるとしています。
一方、事故が起きたオスプレイについては、与那国駐屯地で修理や整備が可能かどうかなど検討しているということです。
陸上自衛隊のオスプレイは、事故機のほかに千葉県の木更津駐屯地に14機、沖縄県の那覇駐屯地と熊本県の高遊原分屯地にそれぞれ1機が駐機しています。
陸上幕僚長「再発防止と飛行の安全に万全尽くす」
陸上自衛隊トップの森下泰臣陸上幕僚長は14日の定例記者会見で「与那国島への初めての飛来という訓練の中で陸上自衛隊のオスプレイの運用に対して関係する地域のみなさまに懸念や不安があるなか、今回の事故が発生し、深刻に受け止めている」と述べました。
その上で「常に危険と隣り合わせであることを隊員が自覚して、日頃から状況を予測した対応ができるような訓練をしていくことが大事だと思う。再発防止策の徹底を着実に実施し、これまで以上に航空安全の確保を図るべく、再発防止、飛行の安全に万全を尽くしていきたい」と述べました。
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