昨年4月の東京都江東区長選を巡り、柿沢未途元衆院議員(53)=公選法違反罪で有罪確定=と共謀し区議らに現金を配るなどしたとして、同法違反(買収)罪に問われた元私設秘書後藤周被告(38)の公判が1日、東京地裁であった。後藤被告は被告人質問で、柿沢元議員が逮捕後に買収の趣旨を認めたことを「ないことをあると認め、ばかだと思った」と痛烈な言葉で批判した。

◆買収を一度は認めたが…一転「陣中見舞い」と主張

 後藤被告は弁護側の質問に、自らもいったんは買収を認めた理由について、柿沢元議員が買収を認めたのに否認を続ければ起訴されて勾留が続くと不安を抱いたため、と話した。東京簡裁から略式命令を受けた後、正式裁判を請求したのは「(現金を)受け取った区議3人が在宅起訴され、しのびなかったから」と話した。現金は区長選と同日実施の区議選への「陣中見舞い」と改めて主張した。  裁判官から「お金を受け取らなかった区議は、区長選と関連があると感じたと言うが、どう思うか」と問われ、「政争の具にしていると思う。買収を申し入れられたと誰も言っていない中で、柿沢に敵対している区議が買収の趣旨を感じたと言っている」と述べた。  柿沢元議員は自らの公判で現金の趣旨を説明しなかったが、4月26日の後藤被告の公判で「陣中見舞い」としつつ、支援した前区長の木村弥生被告(58)=公判中=の対立陣営の「足並みの乱れを誘うことが頭の片隅にあったかもしれない」と証言した。  後藤被告の次回公判は5月14日、検察側の求刑と弁護側の最終弁論がある。(中山岳) 

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